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和装事業部FAQ

Q.カビの発生について

  1. 近年は建物構造や生活様式の変化により湿気がいっぱいで、カビ発生の事故が昔よりも多くなっています。また、カビの発生条件として
    1. 温度
    2. 湿度
    3. 栄養分(絹も栄養分)
    4. 酸素
    があります。

現在のところ、どんな条件下でも完全永久にカビを発生させないという加工方法は、防カビ剤が殺菌剤の1種であり、 多量に使用すると人体にも悪影響を及ぼす危険性がある為に実現できていません。
定期的な虫干しの実施がカビ発生の問題解決になると思われます。仕立て上がりの状態でも直す事が可能ですし、再度の防カビ加工も処理することができます。


Q.紋が青く汚れた。

  1. 上絵時の渕消しに使用された染料が水に濡れたのか、大量の発汗によるものなのか、どちらかの原因で染料が紋の中へ泣いてきたものと思われます。 紋洗いと紋を修正することによって復元できます。但し、紋を何かで擦られて上絵自体が汚れている場合はこの限りではなく、紋の入れ替えという作業が必要になります。

Q.夏襦袢に黒(青)の色がついた。

  1. きつい発汗により喪服の黒色が襦袢についたのか、もしくは背伏せからの色落ちが考えられます。 現在の染料では湿摩擦堅牢度1~2級というのが現状で、弊社でも1~2年に1回あるかどうかの事故です。弊社において、補整が可能ですし、プレス加工もして納められます。

Q.汚れを取るのに布で擦ったら白くなった。

  1. 絹繊維特有のスレ故障と思われます。 スレ故障とは、絹繊維が水に濡れて膨潤しますと表面がもろくなり、摩擦されることによって繊維表面の一部が剥離して毛羽立ち、 布面が乱反射して白く見えるようになります。布面に対し鋭角の位置から透かして見ますと、布表面がわずかに毛羽立って白けて見えることで見分けられます。 スレとは絹繊維が濡れているか、湿っている状態で表面を擦ることによって発生します。最近は補整技術も進歩しまして、ほとんどのスレ故障は直ります。 しかし、あまりにも強度なスレ(洗濯機で洗ったなど)に関しては補整が困難なときもあります。 汚れなどはガード加工が処理してありますので、ガムテープを使用するとか、軽く濡れた布で叩くことによって、直る場合も多々ございます。

Q.襟や裾、袖口の汚れはどうしたらいいですか?

  1. 襟元の汚れはファンデーションや、口紅などの化粧品、あか等の汚れがよく付きますファンデーションや、 衿や、あかなど油性の汚れはベンジンで落ちますが、ベンジンを使うことにより大切なお着物が変色する場合がありますのでなるべく専門店にお任せください。 袖口や裾は同じくあかをはじめとして汚れやすい所です。特に裾は泥はね(乾いてから泥を落として、ご相談ください)をつけてしまうことがあります。 早いうちに処理すれば、汚れ部分が広がらず、きれいに落とせます。時間が経つにつれて、しみは落ちにくくなりますので、早めの処置が大切です。

Q.お仕立ての際『留袖・訪問着・付下げ』などの柄合わせ優先は何を基準にしていますか?

  1. 着物の絵羽付けは、一般的に後幅8寸、前幅6寸5分ぐらいまで柄(絵羽)が合う様になっているものが多いです。 着物の身幅は、自分の体型に、ぴったり合っていなくても、前幅と後幅が5分、せまくても、広くても、着付けで、カバーすることが出来ます。 しかし、細すぎる人や太い人は、柄合わせで仕立てると、着用時に背中心がずれる為、かっこうが悪くみえます。 細い人は、着物が、大きいため、まきこむ様な形になり、歩きにくくなります。 太い人は、着物が小さいと、歩いた時に、前が、はだけて足が見えてしまいます。そのため、こういう人の場合は、寸法重視になり、脇の絵羽を無視することになります。 でも、ヒップ110㎝ぐらいになってくると、柄がぬいこみの方まで描かれていないことが多いため、身幅を広く取りたくても取れない時が有るので、注意しましょう。もしくは、クィーンサイズを買った方がよいでしょう。

Q.丈袋が入るのはなぜか?

  1. 仕立ての問題と、生地の問題の2通りあります。 仕立の際、地づめがあまいと、湿気などで縮んできます。地づめしすぎると、裄が取れなかったりしますので、 ここは裄を重視するか、丈袋を重視するかの判断が必要になります。 生地に関しては、縮緬など生地の性質によって縮みやすいのや紬のように縮みにくい物があります。 表と裏(胴裏、八掛け)が同じように縮むことがないので、つりあいが悪くなっていき袋がはいります。 湿気をふくむと縮むので、着用時の汗、雨の日の着用、保管状態又、仕立て上がり後の丸洗いプレスをすると入る場合があります。